鉄の溶接
ホームページを見てご来社頂くほとんどが、他社では対応できない製品の接合相談です。
面白いモノばかりで、ありがたい話です。
そんな中でも、鉄の溶接もやっていることもお忘れなく!
ノースヒルズ溶接工業は、上履きでの溶接作業かつ非鉄金属を中心とした溶接屋なので、『鉄は受け付けないのではないか』というイメージが強く持たれがちです。
確かに鉄は、周囲が汚れやすく扱う量としては少ないですが、グラインダーを使用する際は、別室の専用部屋で作業するなど、クリーンな環境を保ちつつ溶接させて頂いております。
ちなみに、最近溶接したモノは、ご覧の写真のようなものです。
拡大写真はこちら!
溶接は、TIG溶接でしているため、見た目の脚長は半自動溶接機と比べ細いですが、溶け込み量で考えるとしっかりとした強度を誇っています。
この製品は、材料支給でノースヒルズ溶接工業に届いた時には納期が過ぎていたモノでした。
すぐに取り掛かり、なんとか最短での対応はできたかと思います。
溶接屋だからこそできる配管施工
装置を組立てるにあたって避けて通れないのが配管の施工になります。
どの業界でもおそらく配管は必要になるかと思います。
今回は、溶接屋だからこそできる配管施工を写真でみてもらいたいと思います。
まず、裏側の写真をみてもらいましょう。
写真を『拡大』して見て頂くと、ほとんど溶接構造にて現合で取り付けています。
仕様で『SUS316LのEP管』指定だったためです。
また、さらに複雑になってしまったのが・・・
奥に見えるパネルになります。
見えにくいですが、ところ狭しと配管を接続しています。
写真中央部にテフロンチューブがあるのは、漏れ試験おこなうために一時的に接続しているものです。
このようになってしまったのは、所定スペースに収める必要があったのと、ガスと水の経路に細かい希望があったためです。
でも、表からみてみると・・・
こんな感じに!
こちらは表のパネルになります。
すっきりしているのがお分かりになるかと思います。
配管経路図をユーザー様から御支給いただき弊社でのレイアウトになります。
すべてハード配管なので経路変更などは容易にできませんが、漏れ試験さえ正確に行えば、長期間にわたって漏れる心配はありません。
特に水漏れ等でお困りになったご経験がお持ちの方にはぴったりの接合方法になるかと思います。
継手の使用量や溶接個所の量は得手不得手があるかと思いますので、案件に合わせたご提案をさせて頂きます。
漏れ検査③-減圧試験(ヘリウムリークディテクター試験)
ノースヒルズ溶接工業では、漏れ試験はすべて社内でおこなっております。
今回の試験は、太陽光パネルを製造する装置の一部品になります。
通常使用していたのが、漏れが発覚し漏れ個所の特定と、修理を依頼された案件です。
前回のブログも同じような感じでしたが、新規の案件と同じくらい修理案件が持ち込まれます。
なかなか加工屋で試験までおこなう企業が少ないようです。
漏れ試験①と②は加圧での漏れ確認試験でしたが、今回はヘリウムリークディテクターという検査機器を使っての減圧試験になります。
これのすごいところは、分子レベルで漏れの確認します。
簡単に言うと、
① 漏れを確認したい容器(製品A)を封止し、掃除機の要領で動作するヘリウムリークディテクターで空気を吸ってしまい、真空状態にします。この状態の容器をいったん真空容器と呼ぶことにします。
②真空容器(製品A)の外側にヘリウムガスを吹き付けます。
③万が一漏れがあった場合、大気圧より低い圧力の真空容器(製品A) に入ろうとします。ヘリウムリークディテクターには、ヘリウムを感知する機器が設置しており、どの程度の気圧が容器内に侵入したのかを数値で確認することができます。
漏れ個所の特定には、機器を持っていても目に見えないので熟練の経験が必要になります。
主に、半導体向けの製造装置や、真空を利用した装置には溶接後の製品の状態を確認するうえで必須ともいえる確認工程になります。
ノースヒルズ溶接工業は、TIG溶接屋であり真空装置屋でもあります。
今回のようなご要望にもすぐさま対応できる体制を組んでおります。
漏れ検査②-ガス圧試験
前回のブログでも書かせてもらった通り、
ノースヒルズ溶接工業では、漏れ試験もすべて社内でおこなっております。
今回は、チタン製の熱交換器が割れて漏れが発生したということで、急ぎ修正させて頂いたモノです。
本来であれば、自社で溶接したモノがあるべきところ、他社で溶接されたもので相談を受けました。
ガスは主に窒素ガスを使用しております。
窒素ガスは、圧力検査のほかに検査機器のクリーニングやレーザー溶接機にも使用しているため、転用して利用しております。溶接機で使用するアルゴンガスと比べ、コストも抑えられ不活性ガスということで使用しております。
チタンは、溶接にクセがあり溶接屋さんでもなかなか取り扱ってくれるところは少ないそうです。
今回は、
修正前の漏れ箇所の確認(目視では見えないため)
↓
溶接
↓
漏れ確認(別の部位の漏れ発覚)
↓
溶接
↓
漏れ確認
↓
完成
となりました。
手間はかかりますが、ユーザー様に安心して漏れの原因と今後の対策もお伝えすることができ、試験の重要性を再確認させられた製品でした。